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胃痛 [日記]

2007年 7月某日。

会社人生16年目にして初めて本当に胃が痛くなった日。忘れないように書き留めておこうと思います。

自分は従業員も売上げも大きい会社に勤めています。従業人が何人いるかと聞かれても、はっきり言ってよくわからない。その日は、そんな会社の副社長に直接プレゼンする機会がありました。

たぶん。。。自分はプレゼン資料作成もプレゼンそのものも上手くできる方ではないかと思います。最初に入社した会社と組織で、技術文書作成やプレゼンの技術をさんざん教育してもらったのが幸いしました。また今の会社に入って顧客の前で英語プレゼンする日々が5年以上続き、経験値もずいぶんと上がりました。今やどんな状況のプレゼンでも、最小限の準備期間であるレベルまで持っていくことができるようになってきました。

しかし今回のプレゼンはそういう訳にはいきませんでした。プレゼン次第では自分達の仕事環境に大きな変化があることが十二分に予想されたためです。失敗は絶対に許されないし、合格点の出来でもだめ。最高のプレゼンをする必要がありました。

内容は前から有識者で議論していたのですが、その内容をいかに伝えるか、聞き手が注意を向ける所を聞き手の右脳と左脳にどう訴えかけるか、現時点で質問、反論されたくないことをどうやって回避するか、ポジティヴな印象のみを与えるにはどうすれば良いか、などを考え尽くす必要がありました。1週間前にはドラフトを仕上げ、3回他者からのフィードバックを受け、自分自身でも3回大きな修正をしました。プレゼン資料自体は、可能な限りのレベルまで完成させることができました。

残るはプレゼン本番、どのように話すか、でした。自分は日本語だろうと英語だろうとプレゼン原稿は作りません。若かりし頃は原稿を作ったものですが、原稿に沿ったプレゼンでは人の心に触れるようなプレゼンができないことを悟ったからです。自分のプレゼン前やもしかしたらプレゼン中に、聞き手の感情や集中度を察し、話のつかみ、話す内容自体、トーン、スピード、目の配り方などを調節することで聞き手の注意を向け、かつ聞き手が理解、納得、感心、感動するようなプレゼンをするのです(もちろん、そう上手くはいかないのが現実ですが。。。)。原稿を読んだり原稿丸暗記ではこれはできません。原稿に縛られてしまうためです。

今回も原稿は作りませんでした。でも、当日朝に「失敗できない」というプレッシャーがだんだん大きくなってきて、居ても立ってもいられなくなり、とうとうプレゼン資料を印刷。会議の2時間前くらいから、プレゼン資料を見て、ブツブツと一人予行練習を開始しました。原稿は無いので、即興プレゼンの予行練習です。よって練習するたびに話す内容がちょっと違ったりします(笑)。

ところでそんな姿を見た若者が後に、「プレゼン前にプレゼンを確認している(緊張している)○○さんを見たのは初めてでしたよ~」と言ってきました。でもまったくその通りで、プレゼンの予行練習なんてこの10年間くらいやってないのですよ!いやはや、本当に緊張しました。

そして、いよいよ会議が始まりました。

自分の前に2人の方のプレゼンがありました。前日に、プレゼン資料はもちろん英語で用意してほしいが、プレゼンターが日本人の場合は日本語で、そうでない場合は英語でするのが良いのでは、とsuggestionをもらっていました。メインの聞き手は全員日本人だったためです。自分はどちらにも対応できるよう、予行練習は英語でブツブツとやっていました。

会議の最初のプレゼンは日本人の方。この方はすべて英語で行っていました。良いプレゼンだったのですが、なんとなく聞き手の心には届いていない気がしました。2番目のプレゼンはイギリス人。もちろん英語のプレゼンです。英語のわかる日本人相手でも、心に届くプレゼンを英語で行うのはなかなか難しいものです。この2人のプレゼンを見て、「やはり日本語で行こう」と決めました。日本人の心に訴えかけるには、やはり日本語しかありません。

自分のプレゼンが始まりました。挨拶と日本語プレゼンする前置きを英語で言った後、日本語に切り替えました。と、ここで問題発覚!海外赴任してから日本語を話す機会が減ったのはもちろんなのですが、敬語を使うことが皆無に近かったので、日本語に切り替えた最初のフレーズで、いきなり変な敬語を使ってしまったのです。これには自分もビックリ。ただこれで、緊張がフッとほぐれたようです。

その後は、なんというか、天から何かが降りてきたかのように、別人のようになって喋っていた記憶があります。演技をしていた、と言った方がいいかもしれません。役者さんが役に入り込んだ瞬間はこういった感覚になるのかな?とちょっとわかった気もしてしまうような、そんなプレゼンができました。

プレゼンが成功したのかどうか。これは判断する手段が無いのでわかりません。でもプレゼンの後に3、4人の方々に握手を求められ、翌日にも何人かの人にお褒めの言葉を頂きました。成功したと信じています。

さて問題はここから。そうです、胃が痛くなったのです。プレゼンの後、30分位してからでしょうか。胃の上の方がキリキリと痛み始め、1時間後には顔から血の気がひくくらいに痛くなっていました。水を何回も飲んで痛みを和らげようと努力し、1時間で2リットルも水を飲んでしまいました。結局夕食を食べる3時間後まで苦しみ続けていました。

プレゼン中はアドレナリンが大量に出ていたと思うのですが、プレゼン後には胃液が大量に出てきたのですね。相当なプレッシャーだったのでしょう。ここまで胃が痛くなったのは、会社人生どころか、人生で初めてかも。テニスなどの個人スポーツをやっている人は緊張に強いといいます。自分もテニスを長く続けているおかげで、ほとんどの場で緊張を感じないようになってきました。しかし、ここまで緊張する場は25年間のテニス人生でも無かったのでしょう。良い経験になりました。

人生、緊張したり、悩んだりする場面が多いですよね。で後で振り返ると、大したことではなかったとわかる。冷静に考えれば、自分の家族や人生や命を失うわけではない、という見方ができるからかな。でも事の中にいるときには、やはり緊張したり、悩んだりしてしまう。これは避けようがないですね。いや、避けてはいけないんだと思う。

緊張したり、悩んだりするってことは、その事に誠心誠意取り組んでいる証拠。それが終わったときに、人は壁を越え成長していくのだと思います。そして次に同じような事にぶつかったときには、緊張も悩みもなくなる。それを繰り返していくことで、人は大きく成長していくのだと信じます。

「若いときの苦労は買ってでもしろ。」って言葉があります。苦労の後の充実感や成長を感じることができるなら、老いた後でも苦労を買いたいと思います。(そんなことを思える、平和な国に暮らせていることに感謝)


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